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満足のいく良いお産のために

 現在日本の出生率は1.37です。出生率とは一人の女性が一生に産む子供の平均数です。女性一人に一人の男性パートナーがいますので、出生率が2であれば人口は横ばいのはずですが、現在日本では出生率が1.372を大きく下回っており、少子化が進行しています。平成28年の出生数が戦後の統計開始以来、初めて100万人を割りました。このように現在日本では少子化が進行しているにもかかわらず、児童虐待件数は増加しています。平成12児童虐待防止法が制定され、児童虐待を疑う場合は、速やかに福祉事務所児童相談所に通告しなければならないとされました。そのため以前には見逃されていた虐待が表面化しましたが、それ以上に児童虐待の頻度が増加しているのも事実です。

 自宅分娩が中心であった昭和30年代以前に比べ、現在では診療所、病院での出産が大多数となり、母子の安全性は著しく改善しました。しかし安全性と引き換えに家族で行っていた自宅分娩で得られた快適性が損なわれ、同時に育児への接し方が難しくなり児童虐待と関連しているとの考えがあります。

 安全性と快適性は相反するものではありません。快適性はいわゆるローリスク妊婦のみが望めるわけではなく、ハイリスク妊婦や帝王切開術での出産が必要な妊婦さんであっても快適性を望むことは可能です。

 現在核家族化が進んでおり、妊娠、出産、育児の際に、大家族の十分な支援を得ることは困難なことが多いです。しかし医療関係者を含めた周囲の人の助けを受けることは可能ですし、「満足した、いいお産」後の育児であれば、少子化対策や虐待防止につながる可能性があります。

 一生に何度もお産を経験するわけではありません。また満足のいくお産とは妊婦さんにより価値観も違います。われわれ医療従事者は、それらを日々心がけ常に追求していく必要があると考えています。

                                   院長 河 元洋

 ※情報誌ぱどにも掲載されました。